親亀の上に兄亀が乗った、その上には | monoblog

沖縄で知り合った、塾講師をしている友人がいる。子供を持つ親としては塾や受験生のことに少なからず興味があるので、色々と聞いたことがあった。塾に入ってくる子供たちは勉強が得意ではない子もいれば、なんでもすぐに飲み込めて成績が上がる子もいるらしい。得意でなかった子も、あるときから急に伸びたりする。子供たちは、それぞれ自分のペースがあるみたい。では飲み込みが早かったり、急に伸びる「『勉強ができる子』ってどんな子なの?」と、直球な質問をしてみた。

 

勉強ができる子の共通点とは

 

「一概にはいえないけど」と前置きしつつ「共通点があるとすれば本を読む子ですよ〜」と返ってきた。日頃から本を読んでいる子供は、読解力や理解力が高いという。ならば「どうやったら、日頃から本を読む子に育つの?」と、またしても考え無しの質問を投げてみた。すると、

 

本を読む子に育てるには

 

それは、、、少し間があいて「親が本を読んでる家庭では、子供も本を読んでますね」と。日常的に親がよく本を読んでいる家は、子供も自然と読書習慣が身に付く。つまり「勉強ができる子」を育てるには、親が日頃からよく本を読む」という事になるのだろうか。「親の背中を見て子は育つ」という言葉があるけど、親の習慣を子供が取り入れるのは、あながち間違ってない気がする。良い悪いは関係なく。

 

英検を受ける息子

 

数年前に息子が「英検を受けてみたい」ということで、家で英検の勉強をしている。最近、英語民間試験活用の延期など大学入試で話題になっている英検。それについてはちょっと気にはなるけど、子供のやる気を否定する気もない。ドリルや過去問に取り組んで、カミさんにアドバイスをもらっていた。一定の級に合格したあと、とある級で壁に当たった。今までの過去問やドリルだけでは到底合格できないスコアが出た。

 

英語が得意ではない自分には、息子に英検の対策を教えることはできない。親としてどんなサポートができるだろう、と考えてみた。できるとしたら「英単語」くらいかな。そこで、英単語を英検の試験日まで覚えていく。覚えた単語を、自分が確認していく。次の英検までは3ヶ月くらい。毎日の積み重ね。つづくかな。

積み重ねていくためのルールづくり

 

三ヶ月という期間で単語をいかに「沢山覚えるか」。それとも、試験までの期間中いかに「毎日続けられるか」という選択肢を見出した。検定までの期間からすると前者だけど、長い目で見ていけば後者の方が良いのかな。

 

ということでノルマは「1日2単語」。これなら覚える方も付き添う親も、ハードルが低いから続けられそうな気がした。1日2個だからすぐに終わる。そのかわり毎日続ける。

 

親の背中を見せてみる

持続させるには、知人が話していたことから導き出した「親の背中を見せる」ことが効果的かと思った。そこで、自分がデザインの鍛錬に始めた「ほぼ日スケッチ」(詳細はこちらのブログ参照)。これをしているときに単語を覚えてもらう。自分が毎日絵を描いてる隣で、息子が単語を覚える。お互いの日課を同じ時間にすることで、持続しやすいかもしれない。

 

三ヶ月後の検定結果は、、、

 

検定までほぼ毎日続けることが出来た。といっても一日2単語なので、おぼえる進みは遅い。そして当日、息子はたいして緊張もせずに試験会場へ。出てきたときに「カンタンだったかもー」とのこと。一週間後の合否発表日。英検サイトにログインしてみると、、、結果は不合格、ざんねん。。。

 

でも、心の中ではホッとした

 

もちろん合格するに越したことはない。ただ、せっかく続いた単語の暗記。もう少し続ければ、より確固たる習慣になるのでは。なので、長続きするには不合格の方が好都合。スコアは前より合格ラインに近づいてるから、日々の鍛錬の成果が少なくとも出てるはず。どのあたりの問題が弱かったのかを確認しながら、ルーティーンの単語習得を続けていった。

 

そしてまた4ヶ月後に試験を受けると、、、

 

第一次試験に合格! やった!! でも、二時試験の、面接を落としてしまう。惜しい、むむむ〜と悔やむも、単語のプラクティスは続けられるから、より単語量と持続の積み上げは続けられる。

 

そんな息子の背中を見ていた

 

一度、二度、三度目と合格まであと少しの息子。その背中を見ていたが、なんと単語習得に名乗りをあげた! これは全く予想してなかった。兄の背中を見てた妹。親亀の上に兄亀が乗って、その上には妹亀が乗ってきたような。予想外に毎日二人分の単語プラクティスを見るようになった。嬉しい悲鳴だけど、子供たちのやる気は出来るだけ長く保ってあげたい。より多くの小さな積み上げが、彼らの中に蓄積されていくはず。

 

三度目、いや四度目の正直は、、、

 

それから3ヶ月立って英検を受けた息子。今回は二次面接のみだったけど、、、4度目にして見事合格、おめでとう! 一緒に受けた娘は残念ながら不合格。こちらもあまり悲観はしてません。合格したのは息子の単語プラクティスだけでなく、ライティングなど、本題の勉強を見ていたカミさんの功績も大きいはず(むしろそっちの方が大変かも)。さて、この次はどうする? と息子に尋ねると「次の級を受ける」とのこと。なので毎日の単語プラクティスは続行決定。

 

そんなこんなで12月

思い返すと単語の暗記を初めて今月で1年が経った。暗記の仕方も色々と変化して、単語帳アプリを使ってみたり(ある日記録した単語データが全て飛んだ)、単語の横にある100ワード程度の英文を音読したり、過去問をランダムに出すなど、試行錯誤していくうちに練習も進化を遂げていった。暗記の最後に「今日で何個覚えた」と毎日尋ね、1年で650ワード以上の単語が息子の頭の中に積み上がった(娘は150ワード)。単純に2で割ると320日は単語プラクティスが出来ていて「ほぼ日」ペースに習慣づいている。

英検合格よりも嬉しかったこと

 

何より、学校にいる「外国人教師と英語でのコミュニケーションが増えた」という息子。この言葉が英検の結果よりも嬉しかった。英検が理由で始めた習慣だけど、結局、言語はコミュニケーションツール。巧みに使い始めてこそ、彼にとっての本当の結果だと思う。

このままいけば年内に700ワード(娘は200ワード)が確定していて、1月26日の検定まで750ワード(娘:250ワード)までいけそう。卒業までには850ワード行けるかな。このまま中学三年間続けてたら、2000ワードも夢じゃないな、、、つーか、娘の方は4年生から始めたから、中学卒業までに3500ワード越えるかも、、、。

もちろん単語だけ覚えていれば言い訳じゃないのですが、、、親として一番やっちゃいけない「取らぬ狸の皮算用」が頭に浮かぶこの頃。それにしてもこの皮算用、達成するにはあと五年、付き添うことになるな、、、ちと長いな。。。


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