インプット出会いの場 |monoblog

 

『コピーの時間』という本を読んでいます。「宣伝会議」という雑誌の連載をまとめた一冊。いま現在、第一線で活躍しているコピーライターたちが、自分が影響を受けたコピーを3つ紹介するリレーエッセイ。コピーとともに選んだ理由も掲載されている。今をときめくコピーライターが選ぶコピー、伝わる強度が強いです。パワーワードを使ってる、とかではなく。糸井重里さんの「想像力と数百円」というコピーは、特に多くの方があげていて、みんなガツンとやられた方が多かったよう。仲畑貴志さんのコピーを挙げる方も多かった。こちらは1つに限らず、いろんなコピーが挙げられていて、コピーの「ヒットメーカーの中のヒットメーカー」といった感じでしょうか。
そして、どの方も、テキストが面白い。リアルタイムでコピーを読んだときの感情の伝え方が上手い。さすが言葉の達人たち。などと、楽しみながら読んでいるこちらの本は、買ったわけではなく、図書館で見つけました。

インプットという作業

デザイナーに限らず、ライターやカメラマン、編集者、その他ものづくりをする人は、何かを見たり聞いたりしながら情報収集する「インプット」という作業が習慣づけられています。インプットしたものを整理したり、ひも解いたり、他と組み合わせたり、切り貼りしたり、などを繰り返しながら次の何かを生み出す。そんな過程が日常的に行われています。

マンガだけ読んでいても良いマンガは描けない」という言葉を聞いたことがありますが、同じジャンルのモノを見るにとどまらないようです。むかし自分が師事していたデザイナーから「映画を観るといいよ」と言われました。映画を観るのはもともと好きだったので、このインプットは苦になりません。美術館に行ったり、小説を読んだり、人に会って話したり、インプットの仕方はさまざまです。

自分の場合、グラフィックやエディトリアルの仕事が多いので、紙媒体からのインプットは少なくありません。ただ、すべての本を購入するわけにもいきません。沖縄で大きな書店といえばジュンク堂ですが、そこまで足しげくかようのにも家からは距離がある。そこで、近所の図書館をインプットの場として活用しています。

図書館、みなさん使ってます?

図書館は、さまざまな本と出会える場所としてもオススメです。自分が思いもしなかった本やジャンルに出会える。そんな場でもあります。この「思いがけない出会い」というのもインプットとしては良い方向にむかうことが多いです。自分の範疇を超えたものをみると、新しい価値観が芽生えたり。そんな図書館が大好きです。

図書館の好きなところ

で、図書館のどこが好きか、ポイントがいくつかあります。まずは、1.「無料!」なこと。たくさん本を何度も借りたって無料です。「タダより高いものはない」という言葉もありますが、公立の図書館は税金で運営されているので、一応お金は払ってます。借りてみても、読み進めるうちに「ちょっと違ったかな」と思う本でも、無料なので、後悔することもありません。

2.「一度に複数の本が借りられる」。館内を見て、これも、あれも、こっちも、なんて本を積み上げても20冊までは大丈夫です。複数借りることがわかってるので、マイバッグを持参していくと便利です。

3.「定期的に新しい本に触れられる」。図書館は、蔵書に指定された雑誌の最新刊があります。好きな雑誌を無料で閲覧できる。しかもバックナンバーは借りることも可能。気になった特集の号は家でじっくりと読むことができます。また、定期的に新刊の本が入荷されています。自分のアタマには無かったけど、ちょっとコレ興味あるかも? といった本が新刊のなかにはあります。また新刊図書からは、今、本で使われている「紙やフォント」「画像の色味・トリミング」など「デザインのトレンド」を得ることもできます。ジャンルを問わず、新刊の図書はインプットとして重宝させてもらってます。

4.「検索コーナー」。欲しい本や、読みたい著者が決まってる人なら館内に設置された検索エンジンを使うこともオススメです。じっくりと見回して探すのも良いのですが、限られた時間であれば、サクッと探せます。うるま市には図書館が3つあるのですが、どの図書館の図書も借りることは可能で、その予約も検索エンジンからリクエストできます。わざわざ遠くの図書館まで行かなくても受け取りたい図書館が指定できます。また、検索エンジンには「新刊図書」というコーナーがあります。いくつかのジャンルがチェック項目として並んでいて、自分の気になるジャンルにチェックを入れると、そのジャンルの新刊が一覧で見ることができます。タイトルを見つつ、「コレは見たい!」というものは館内で借りたりられます。調べてみるとわかりますが、新刊図書は「貸出中」が多いので気になるタイトルは予約することがオススメです。

図書館のデメリット?

メリットだらけの図書館なのですが、デメリットと思われるものもいくつかあります。まず「ないものはない」。当たり前の話しではあるのですが、蔵書にも限りがあります。全ての図書があるわけではないので、あらかじめ「コレ借りたい!」という本を探しても無い場合も少なくありません。以前、楽天の社員の方に聞いたのですが「amazonは『これ買いたい!』という商品、もしくは商品ジャンルが決まってる方が買うお店。楽天は『なんかいいものないかな』という方が来るお店」というamazonと楽天の違いがあるようです。ある意味、図書館は『楽天』的な気持ちで行く場所かもしれません。また、amazonとかで「この本読みたい」と思って図書館蔵書検索をして無かった場合でも、著者の別の本があれば、そっちを借りて試し読みすることもできます。

その2「借りる期限がある」。こちらも当たり前のことなのですが、一度借りたら返却期限は2週間です。ただ、借りてる本に予約が入ってなければ、手続きすれば2週間延長することが可能です。また、延長後、返却する際に「その場で予約の有無を確認してもらって、また借りる」というワザもあります。以前、実用書ばかりを編集制作をする会社に勤めていた頃。そこの上司は、制作が決まった実用書についてジャンルの関連本を家の近くの図書館と会社の近くの図書館から借りれるだけ借りて自分のデスクに置いてました。そして基本「制作が終わるまで手元に置いておきたい」スタンスで、返却期限など無視して資料として使ってました。彼曰く「3ヶ月くらいは返さなくても大丈夫」とのことで、催促のハガキや電話が何度めか来たときに、やっと図書館へ返却に。それでも、どうしても手元に残しておきたいものは返却後すぐ借りてました。年上世代の無法っぷりは凄まじいな、と思いつつ、正直真似はできません。。。

図書館で出会うなら

図書館で行くオススメスポットとしては「自分の好きな(必要とする)ジャンルの棚」「雑誌の棚」「検索コーナー」はまず必須に見て回ります。あと入荷したての本が並ぶ「新刊コーナー」。ここが出会いポイントが高い場所です。今回借りた『コピーの時間』やのほかに、一緒に借りた『段ボールは宝物』など、ジャンルを越えて思いもよらない出会いがあります。あと一つ「返却したての本コーナー」も要チェック。ここには返却されたばかりの本が雑多に並んでいる場所です。ジャンルもさまざまにいろいろな本があって、しかも「誰かの好奇心に触れた本」ばかり。ここにも意外な出会いがあって、そのまま「衝動借り」ができる場所でもあります。

図書館は必要なジャンルの資料を基本的に探しながら、思いもよらなかった本と出会える場所。好奇心は個性ともいえるので、出会いのポイントを探ってみれば、アナタに合った一冊に巡り会えるかもしれませんよ。

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