58号線バイパスに見た三途の川 | monoblog

facebookの投稿から流れてくる、フォローしている人たちの動向。沖縄のどこかへ行ったことや、いい感じの仕事、イケてるイベント、ゲットしたモノ、笑顔がステキな子供達。旅行、出会い、モフモフな動物の赤ちゃん。タイムラインから流れるキラキラした出来事たちに目を奪われ、ドキドキしたりキュンとしたり、ムムムムとなってみたり。流れてくる言葉と画像・動画を見続けている時は大抵ヒマ、とは真逆の時を過ごしています。目の前にあるデザインや仕事が山積みで、やらなければいけないことが複数に同時進行で、優先順位もなかなか決められない状況のときに限って、タイムラインから流れてくるキラキラした投稿にキュンキュンしていく。忙しいときほどそんな「キュンキラ」に心まで奪われて「人生のよそ見運転」をしがちです。ところで、キュンキラって何だろう?

キュンキラという名前のフェス

「キュンキラ」という言葉を最初に目にしたのは今年の5月あたりだったでしょうか。これもfacebookのタイムラインでクライアントさんがシェアしていた「きゅんきらフェス」というイベントが目に入ってきました。

運営している「galleryはらいそ」では個展や企画展、県外のエキシビションを手がけています。プロデュースしているイベントのタイトル、毎回頭を悩ましています。そんな中で「きゅんきらフェス」のネーミング、自分のアタマでは全く出てこないタイトルの響きがあり、強いインパクトを受けました。キュンキュンとキラキラ(キラリ)を合わせちゃうなんて(しかもひらがなだ!)。「きゅんきら」というエナジー満タンな組み合わせに関心していました。

で、きゅんきらフェスの当日

きゅんきらフェスは宜野湾市の「沖縄コンベンションセンター」で開催されていました。当日、その会場近くの公民館で息子が勉強会に参加しており、送迎のために会場前の道路に車を走らせていました。

その日、会場前の道路・国道58号線のバイパスはいつもと違って大渋滞。息子の勉強会の終わりの時間が近づきつつあるのに、全く渋滞は動きません。何だろう、事故でもあったのか、と思いながら、ノロノロと車を動かしていました。

そういえば今日、コンベンションセンターで「きゅんきらフェス」というイベントをやってるから「きゅんきらフェス渋滞か?」などとも思いましたが、そこまで沖縄できゅんきらフェスが超メジャーなイベントというわけでもありません。その通りは沖縄で話題のショッピングモール「パルコシティ」に通じる道でもあるのですが、この時はまだオープンする前。やっぱり事故でもあったのかな。と思いながら、息子との待ち合わせに大幅に遅れて公民館へ着きました。

翌日の新聞で知ったこと

翌日の地元新聞の記事によると、渋滞していた宜野湾市通り近くで、ちょうど同じ時間帯に基地反対の平和集会が開催されていたとのこと。知事も参加する規模で開催されており、それを聞きつけた街宣車が通路を封鎖し、逮捕されるという事件があったことをニュースを知りました。

右翼のギラギラした街宣車がギャンギャンに唸りながら、道路を封鎖、バリケードする。その通り沿いにあるコンベンションセンターでは、その動きとは全く関わりのない「キュンキュン」と「キラキラ」がコンセプトの多幸感溢れる感じのイベントが開催されている。

一見、関係のない両者に思えますが、「キュン」と「キラ」が合わさった眩しいばかりの輝きや響きを放つと、その眩しさゆえに地場・時空のパワーバランスを整えるために、自然とキュンキラとは真逆の、「ギャン」と「ギラ」が発生するのか、とも考えられます。至高の瞬間、「ハレ」の輝きをもつ「キュンキラ」な場にたどり着くためには、阿鼻叫喚の「ギャンギラ」という「ケを通る」という「通過儀礼」が課せられる。この世の時空のバイオリズムというか見えない力を感じたような気がしました。

キュンキラとギャンギラに挟まれて

「キュンキラ」と「ギャンギラ」の狭間のバイパス、中道を通ることで、天国と地獄、ハレとケ、この世とあの世の中間の、言わば「三途の川」を自分はドライブしていたのかもしれません。「白昼夢もいい加減にしろよ」と突っ込まれそうですが「光あるところに影はある」とカリオストロ伯爵も言ってたように、影がないと実態が浮かび上がらないので、あながち、キュンキラとギャンギラの同時発生はあり得るのではないかと考える今日この頃です。


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