「用事のない町」に住んで |monoblog

沖縄の様々な情報を取材・撮影して、各種媒体から情報を発信する。そんな仕事をしています。ジャンルとしては「観光」に関する情報が多いです。沖縄へ旅行へ来る方へ発信するためにカフェやお店、世界遺産、ビューポイント、魅力溢れる人、ソウルフード、工芸品、、、などなど。子どもが二人いるので、離島の情報を発信することは少ないのですが、沖縄本島は北部から南部までの情報を手がけています。

私たちの拠点「うるま市」

monoboxが拠点としている「うるま市」という場所は、沖縄本島の「中部」という真ん中あたりのエリア。南部にある那覇空港からは慣れれば45分程度で着く町です。高速道路でいうと「沖縄北インター(沖縄市)」「石川インター」があり、北部へも南部へも出やすい環境があります。

取材・撮影の依頼でリクエストが多いのが「やんばる」と呼ばれる北部のエリア。同業の方々は那覇市がある南部を拠点にしている方が多く、北部も南部もそれほど変わらない距離にいる自分たちにお声がかかるようです。どちらにも行きやすいという利点が沖縄の中部にはあると感じています。

情報を発信する理由

私たちが観光などの情報を発信しようと思うきっかけは、住んでいる町が「うるま市」だっだからです。それは先ほどお話しした「地の利を活かす」というのではなく「うるま市の情報を発信したい!」と思ったからなんです。なぜなら、私たちが移住してきた頃(2011年)、うるま市の観光(それ以外にも言えたのですが)にまつわる情報、まったく見当たらなかったんです。

観光情報誌に載らない町、うるま市

右も左もわからないままに「うるま市」へ移住したわたしたち。手始めにインターネットなどで役所やスーパーの場所を調べて手続きやライフラインの整備などを行いました。そこで、海中道路や世界遺産の勝連城跡などの見どころの存在もわかってきます。じゃあ、お店とか、どんなのがあるんだろう? と思い始めました。そこで思いついたのが観光情報誌の存在です。沖縄は日本でも有数の観光地。観光媒体の数も他県とは比べ物になりません。早速、本屋に行って観光情報誌を手に取ってみました。

すると、、、最初に手に取った本にはうるま市の情報、一件も掲載されていないのです。「アレ?この本おかしいな」と次に手に取った本は勝連城跡は掲載されてたような。うーん、、、その次の本もまた次の本もどこもかしこも、うるま市の観光情報、何も載ってません。かろうじて、勝連城跡のほかに海中道路が掲載されていたのを見つけたとき、ちょっと嬉しかったです。

地図がノーマークの町「うるま市」

「観光だから載ってないのかな」と考え方を変えて「沖縄そば150」という沖縄そば特集の一冊を手に取ってみました。その本はページの右上に場所のインデックスさ施されていて探しやすかったです。自分は勿論探している「うるま市」のインデックスを求めてペラペラとページをめくっていると、、、見つかることなく巻末まで辿り着いてました。。。

こういった経験を踏まえて、観光情報誌はまず「索引」から見るようになります。だいたい掲載店舗の後に地域名が書いてあるので、どこの地域が何店舗載っているのかが一目でわかります。そして、うるま市の情報、索引にありません。

観光情報誌は、沖縄本島の距離感をわかりやすくするため、掲載情報をマッピングした「沖縄観光マップ」が巻頭か巻末にあります。特にたくさんの情報が掲載されている場所は、クローズアップされて詳細地図とともに情報がマッピングされています。こういったマップにおいて、うるま市エリア、何のマークも記されてません。あっても、勝連城跡と海中道路がポツーンとあるだけです。「自分たちは何も無い町に住んでしまったのではないか」と思い始めていました。

うるま市は「用事のない町」って言われた

住み始めていろんな方々と出会った時、自己紹介すると真っ先に聞かれるたのが「何でうるま市に住んだの?」。「なんで?」って、、、じゃあ「うるま市」ってどんなイメージ? と逆に聞いてみると、かなりの確率で「いやー、うるま市、用事ないし」「何かよくわからない」「行くとこ何もないよね」って答えが返ってきました。市外がダメなら市内の人に聞いてみると「休日は市外に行く」という返答。誰も知らない町、用事のない町に移住した私たち。ちょっと愕然としました。

道ばたで見かける立て看板、、、店、あるじゃん!

そんな、「何も無い町認定」をメディアからも県民からも下されているまち、うるま市。暮らしていくうちに、気づいたことがありました。それは、道ばたで見かける「立て看板」。道路沿いや曲がり角で「カフェ○○」とか「○○食堂」といった「近くにお店があるよー」的なサインをそこかしこでみかけました。何度か通っているうちに「あそこちょっと気になるよね」ということで、用事を済ませた帰りや、買い物の途中などで、その立て看板を頼りに気になる場所に赴いてみたのです。

すると、ちゃんとお店があるんですよ。cafeも、食堂も、洋菓子店も本格的なボーランジェリーも。なんだメディアは全くキャッチしてないじゃん。これは自分たちで、ちょっと何かできないかな。情報をキチンと伝えたら地域の人や市外や県外の方も少しはうるま市に興味を持ってくれるんじゃないかな、と。

そこでフリーペーパーを作ってみたんですが。。。

こうした経緯から、地域情報を伝えるフリーペーパーを作ることを決意。東京で培ったデザインや編集の経験をもとに企画を考えてみました。ただ、ここで未体験だったのが「自分たちで取材・撮影・執筆」までを行うこと。これまでは撮影はカメラマン、取材はライターにお願いして、自分は立ち会うことがメインでした。いざ、カメラを手にして自分でやってみると「『何をどうやったらどういった写真がとれるか』を全く知らなかった」ことがわかりました。取材撮影中は毎回、変な汗がジワ〜っと出てました。

原稿も自分たちで書いてみると、思ったことと仕上がった出来のギャップが大きすぎて「オレら、いったい何が言いたいんだ!?」と書き直しの連続でした。「こんなんで出来上がるのだろうか??」とか「なんでこんなのやる、って言っちゃったんだろう」と、後悔の荒波に飲み込まれている気分でした。

フリーペーパー『みちくさうるま』の集合写真

そんなこんなで出来上がったのが「みちくさうるま」という一冊。船出したら航海の仕方もわからず、台風に何度も見舞われ、難破しかけてるような工程でした。印刷納品されると「出来た!!!」という達成感より「なんか、できたね」と、完成よりも作業から解放された安堵による放心状態でした。

波とか壁を乗り越えると、、、

結局「みちくさうるま」はシリーズ化して不定期ですが6号まで発行しました。そして、この媒体がきっかけで、その後沖縄clipをはじめ沖縄の観光情報を発信するwebマガジンのフォトライターや観光情報誌の編集や取材・撮影を携わっていったり、別のフリーペーパーの制作を携わることに。次のみちくさうるま、考えてはいるのですが、、、そのうち発表できれば。

うるま市の観光情報は、市の観光課が観光情報発信に力注ぎはじめたこともあり、徐々にメディアにもキャッチされていきます。特に2015年に出た『OZmagazine』の沖縄特集号の巻頭にうるま市の「浜比嘉島」がどーん!と掲載されたことで「無印の壁」を乗り越えたのかと思います。今では観光媒体でマップ上に、うるま市がノーマークってことはなくなりました。その結果、色々な方々がうるま市に訪れるようになりました。それは、新しい課題や壁が立ち上がるタイミングでもあって、ギャラリーを運営している上で、ひしひしと感じています。

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