行儀かクセか、人生歩んで身から出たスキル | monoblog 

私の個人的なスキル

鍋やフライパンで作った料理。食事を終えて残った惣菜。それを冷蔵庫にしまうときに入れるタッパーやホーローの容器のうち、どのサイズを選べば良いか。鍋にある料理の量をみて、ほぼ間違いなくちょうど収まるサイズの容器がわかる。そんな、あまり自慢にならない特技が自分にはあります。

 

学生時代、大手町のとあるビルの地下にある居酒屋でバイトしてました。来るお客の9割以上が大手町に努めるサラリーマン。最初はホールで働いてましたが、そのうちカウンターへ配置換えに。

カウンターには大手町のサラリーマンでも特に常連さんが集ってました。おもに飲むのは「コップ酒」と呼ばれるメニュー。グラスの下に豆皿を敷いて、グラスに注いで、豆皿にまでこぼす、あのメニューです。常連の皆さんは、ビールを飲んでからほぼコップ酒を飲む感じでした。常連客だし酒も入ってるからワガママも多いです。一杯でなるべく多くを飲みたい気持ちがある。だから「下の皿のギリギリまで注いで」と言われることがよくありました。言われるがままに、熱燗が入った四合瓶(結構大きくて重くて熱い)からグラスに注ぐ毎日を過ごしてました。

 

およそ12席程度のカウンターで、満席の常連たちに対して週四日のシフトでコップ酒をつぐ日々。しかも「下の皿に並々」とか「下皿もこぼせ」とか、下ネタやら何やら注いでるときにチャチャを入れられるのを繰り返していたある日、常連の方からいわれた一言が。

 

お前さぁ、、、

 

「お前さぁ、コップの下皿の表面張力のギリギリのトコでいつも一発で止めるよな! 凄いよ!!」

自分でも気づいてなかったですが、いつのまにか「コップ酒の下皿表面張力ギリギリに一発で止める注ぎ」というスキルを体得していたのです。

 

自分のほか、他の常連たちも気づきはじめ、みんな大喜びしました。「今日もビタッときた!!!」とか「ほれぼれするよね〜」と言われ、止まるとこ見たさに飲む量が増える客や、注いだ後にビールを頼まれ「これ、ご褒美ね」と一杯いただくこともありました。

 

これが後々「作った食事がビタッと収まる容器を一発で選ぶ」スキルに進化したと考えています。このスキル、料理を容器にしまう以外の応用が、今のところ見出せていません。

 

個性的スキル目撃録 其の一

去年、東京出張した時のこと。朝の電車ラッシュに移動しなければならず、その日は一日スケジュールも詰まってて、前日もバタバタで結構疲れてた。駅のホームに着くとグリーン車のチケット売り場を発見。おおお、グリーン車、ぜんぜん乗ってない。一日だけだし、めっちゃ久しぶりにグリーン車に乗ることにしました。

 

車内はガラガラ。こんな時間に空いている電車に乗れるなんて。罪悪感に似た感覚をおぼえながら車内を見渡すと、数席前に座る女性に目が止まりました。彼女は席で何かしてる。膝の上にスマートフォン。画面には動画が流れている。膝の上からの動画、見づらくないのかな。手に持てば良いのに、と上の方を見上げると、彼女の両手は顔のあたりで忙しそうにしています。前の女性、電車に揺られつつ、化粧をしながらスマホでドラマを見ていたのです。すごい! こんな人初めて見ました。

 

個性的スキル目撃録 其の二(カミサンからの口伝)

今年、カミさんが東京出張に行ったときのこと。知り合いと銀座で食事をした帰り道。銀座の通りを颯爽と歩く一人の女性を見かけたらしいです。服は見るからに高価なモノでヒールの高い靴を履いている。顔を見ると、これまた相当な美人。そして手はカップとお箸。夜の銀座の通りを颯爽と歩きながら、カップヌードルを食していた美人に遭遇したらしいです。これもすごい!!

 

彼がウィダーインゼリー好きなワケ

 

時間は前後して10年前。まだ東京で働いていたころのこと。同じ会社に、とにかく会社を休まず、休日も出勤し、帰りは常に終電、もしくは逃してタクシーか、そのまま次の日、、、という営業さんがいました。なんでそんなに忙しいのか見聞きしてみると、圧倒的な物量の雑務、処理作業に追われてた。仕事ができない、のではなく、ちょっと一人でやるには多すぎる。他の営業の人に頼んだりしてもその人の仕事も止まってしまうくらいの膨大な量でした。だから、土曜も日曜も出勤してひたすら様々な処理をしていました。朝、出社すると彼は既にいます。自分よりも早く出勤(自分も結構早い出勤の方だったけど)してるか、昨日からそのままいて作業を継続しているのか。。。そんな彼はいつもウィダーインゼリーを持っていました。コンビニに行くときに欲しいものを聞くとウィダーインゼリーる。ある時、そんなにウィダーインゼリーが好きなんですか? と尋ねてみました。

 

どこでも/いつでも/よごれない

 

とにかく簡単に食事が取れるから」との答えでした。都会ならどこでも手に入るし、歩きながら食べられるし、食べても服とか汚すことがないから好き、と。味とかじゃないんだ。すごい!!!

 

外で化粧をしたり、食事をする人をみると抵抗する感覚が、常識的にあると思います。でも、職場にいた営業さんのように「なぜ、そうなっているのか」を考えると「お行儀が悪い」だけではない部分も見えてくるのかもしれません。今まで培われてきた感覚からすると一見して異様な行動の中に、実は「現代の向こう側を生き抜くためのヒント」が隠されてるのかもしれません、

 

揺れる電車で『ごくせん』観ながらメイクアップ術

 

電車の振動を感覚的にバランスとりながら、自分の化粧を間違いなく仕上げつつ、しかも観たいドラマを見る。これはこの女性にとっての個人的な「ライフハックスキル」と言えるのではないでしょうか。「お行儀が悪い」と行った視線や雑音を、グリーン車に乗ることで遮断しているあたり「リスク回避能力」にも長けてる気がします。

 

ザギンで颯爽とウォーキングカップ麺

 

ピンヒールを履いて歩きながら、カップヌードルをすする。「ティファニーで歩きカップ麺」もかなりのスキルが必要ではないでしょうか。銀座の夜、ひょっとしてこれから出勤の可能性もあります。ピンヒールで颯爽と歩きながら服を汚さずにカップヌードルをすする。颯爽と歩く際の身体の振動と、スープが飛び散らないための割り箸の使い方、そして麺のすする吸い口など、こちらもかなりのスキルが必要となります。ひょっとしたらスープが飛ばないように「お湯を少なめに作る」など、前段階からの工夫も考えられます。「はしたない」と周りの通行人に思われているかもしれませんが、そう思う通行人は、彼女や自分の店にはお金を落とさない人たちなので「モブキャラが何か言ってる」程度にしか感じてないのかもしれません。むしろ、それすら感じない「周囲は全く眼中にない」スキルも同時に発動しているかもしれません。この最後のスキル、自分も是非体得したいところです。

 

みなさん共通してるのは「移動時間すら惜しいほどに時間が足らない」のではないでしょうか。時間の使い方が同時進行的になるのが今の社会。「ブラック」認定されるので残業が難しいようですが、やる仕事は減っていません。ワークライフバランス。私生活も充実しなければ。テレビはネットフリックスなど多チャンネルが当たり前。朝や寝る前にはストレッチやヨガでリフレッシュして、心と体をキレイに。質の良い睡眠が最も重要。飲みにケーションも未だあるでしょう。朝活、昼活、晩活、就活、飲み活、婚活、妊活、離活、終活、、、カッツカツです。育休産休してる子育て世代だってやることなすことレイヤー折り重なってます。その、どれもこれもを全うするには、一度にいくつもやらなきゃデキマッセ〜ン!!!、からの「ライフハックスキル」が皆さんそれぞれの個性やスタイルに合わせて体得してるのではないでしょうか。

 

私的な生きる力はシェアできるのか?

みんながそれぞれ持っている「私的で個性的な生きる力」。その人が辿ってきた人生を反映してるような気もします。みんなのスキルを集めて「パーソナル・ライフハック・スキル集」といったサイトとかあればいいのにとも思います。参考になりそうなスキルは実践して、合わなければ次も試すような。ただ、電車やバスの中はともかく、車を運転しながらは、歌をうたうくらいにとどめといた方が良さそうです。

そしてこれ書いてるうちに、無性にカップヌードルを食べたくなってる自分がいます。